冷え性とむくみ
身体にむくみがあるということは、人体の体内の水分のコントロールがうまくできていない状態だといえます。私たち人間の体内には、70%の水があり、そのうち3分の2が細胞内に残って3分の1が細胞外に出ています。この細胞外の水の中には、4分の1の血液が含まれています。残りは細胞と細胞の間にある間質液というものですが、細胞へ栄養素を運ぶとともに、また老廃物を運搬するという大切な働きも行っています。
この身体の水分バランスが悪いと「冷え」という症状が出ることがあります。冷えとはいっても、手足が冷たいからといって冷え性とは限りませんし、暑がりで手足が火照っている人でも冷え性の方がいます。また、手足のむくみやすい人は冷え性の傾向がありことも事実です。
「冷え"性"」か「冷え"症"」か? 西洋医学と東洋医学で異なる解釈
冷えの一般的な解釈として、身体全体には寒さを感じなくても、手足や腰・腹・下半身等の体の一部、あるいは全身が冷えて、これが慢性化して苦痛になっている状態のことをいうと思います。
しかしながら、西洋医学的においては”冷え症”という病気は存在しません。手足が冷たかったり、腹や痛が冷え冷えしたり、下痢、生理痛、低血圧などの症状があっても、基本的に西洋医学では”冷え症”という病気だとは診断されません。
多くの場合は「自律神経失調」として、精神安定剤を処方されたり、痛みや下痢などの症状を緩和する治療や投薬が中心になるようです。つまり”冷え”の状態の根本を治すのではなく、その症状を緩和することを目的としています。
”冷え”については東洋医学(漢方)が得意としている?
東洋医学においては、”冷え症”として、病気として考えられています。”冷え”のことを東洋医学では”寒邪”といいますが、その原因は一つではなく、多様なものなので体全体から症状を判断して、各種の原因に応じてさまざまな処方で治療するのが特徴です。
東洋医学で冷え症を治すには、主に漢方薬やマッサージ、指圧などの方法をつかいますが、”冷え”を病気と考える東洋医学においては、これらの治療を得意としていますので、効果的な治療が可能のようです。
またこの冷え性はむくみにもつながります。次からはこのあたりを詳しくお話しします。
→”冷え性”とその原因について