現代人は「潜在的ビタミン欠乏症」?
人間の身体は、ビタミンが不足するといろいろな病的症状が出てきます。ビタミンの種類によりその症状も様々ですが、特にビタミンの不足状態が続くと「ビタミン欠乏症」になります。
ビタミン欠乏症といえば、「くる病」「脚気」「夜盲症」などといった病気が有名ですが、現在の日本のような先進国において、このような病気が見られることはなくなってきました。しかし現代人特有のストレスや生活習慣の変化、食生活の偏りなどにより、ビタミン欠乏症とまでいかなくても身体に必要なビタミンが少なくなっている傾向にあり、いろいろな不快な症状を訴える人も多くなっています。
具体的には、寝ても休んでも疲れが取れない、なんとなくだるい、イライラする、動悸息切れ、食欲不振などで、「潜在的ビタミン欠乏症」とも呼ばれています。
むくみと関係が深い「タンパク質」と「ビタミンB1」
血液中にはたくさんタンパク質が含まれていて、自律神経によって血液中のタンパク質の濃度は一定に保たれています。毎日のタンパク質の摂取量が足りないと、自律神経が血中のタンパク濃度を一定に保つように働きますので、血液中の水分が血管外に出てしまい、これが周囲の組織にしみ出し、むくみとなります。
また、ビタミンB1は、炭水化物の代謝に関係していて、特にブドウ糖をエネルギーに変えるときの潤滑油の役目という大きな働きがあります。ビタミンB1が欠乏すると、タンパク質の合成がスムーズにできなくなりますので、結果的に血液中のタンパク質が不足してしまいます。水に溶けやすいビタミンB1は、汗や尿と一緒に、身体の外へ出てしまうために、特に汗をかく夏場や肉体労働時などには、普段よりタンパク質が不足気味になることがあります。
また、アルコールの代謝や糖分の代謝にもビタミンB1は必要ですので、夏場のビールや清涼飲料水など、アルコールや糖分が多いものを摂取することや、さっぱりした食事が多くなることが、夏場特有のビタミンB1不足の要因です。以上のように、タンパク質とビタミンB1は、とても重要な関係にあります。
「ビタミン過剰症」や「ミネラル過剰症」に注意
ビタミンやミネラルは、たんぱく質や糖質、脂質と比べれば微量栄養素ですが、微量ながらも人体に不足するとすぐに自覚症状が現れます。だからといって、欠乏症を恐れてサプリメントなどで過剰に摂取した場合は、「ビタミン過剰症」や「ミネラル過剰症」といって弊害も現れます。
サプリメントなどでの摂取や補給もいいのですが、過剰に摂取しないように気を付けることです。出来れば日常の食事から摂るにこしたことはありませんので、緑黄色野菜を中心にバランスのとれた食事を心がけるだけで、潜在的欠乏症は防げますしサプリメントよりも安価に済むとおもいます。