片足だけがむくむ場合の病気について

 長い時間立ったり、座ったりしている場合、病気でなくても足がむくみますが、この場合は左右の足が同じようにむくみます。また一般的には利き足の方が1cm位太いともいわれます。片方の足だけがむくんだり、両足がむくんだ時でも左右の足のむくみの程度の差が大きく違っているときは、何らかの病気である可能性が高くなります。片足だけがむくむ場合、その足に怪我をしていたり、炎症、かぶれ、アレルギーや、脳梗塞で片足が麻痺したときなど悪い方の足にむくみが生じます。

 

 

 しかし、片方の足がむくむ一番大きな原因は、静脈やリンパの流れが悪くなることです。下肢静脈瘤、深部静脈血栓、リンパ浮腫などが代表的な病気です。

下肢静脈瘤

 下肢静脈瘤は実はとても一般的な病気で、小さな静脈瘤もあわせると、15歳以上の日本人の40%以上に見られ、30歳を過ぎると下肢静脈瘤の頻度は60%以上にもなるといわれます。特に女性に多く、妊娠をきっかけに下肢静脈瘤ができる人が多いのも特徴です。他にも加齢や遺伝、立ち仕事なども下肢静脈瘤をできやすくする原因といわれています。

下肢静脈瘤のメカニズム

 下肢静脈瘤の発生原因は血液の逆流です。人間の足の静脈には逆止弁がついていて血液は心臓の方向には流れないようになっています。それが立ち仕事や妊娠などがきっかけで弁の機能が失われると足の血液が足先へと逆流するようになり、その結果、血管の圧力が高くなり静脈がコブのように膨れてしまいます。これが静脈瘤と呼ばれます。

 

 この病気は、まったく無症状の方もいますが、足がだるく重くなったり、かゆいといった症状がでてきます。この症状が続くと、皮膚の湿疹や、色素沈着、潰瘍ができることもあるため早期に治療を行うことをおすすめします。

深部静脈血栓症

 足の筋膜よりしたの深いところには深部静脈という太い静脈が走っています。この中の血液が固まり血栓ができてしまう病気です。この血栓により足の静脈の中の血液が、心臓に十分に戻ることができなくなると足に血液が滞留すると、足は赤紫色に腫れ上がってしまいます。

エコノミークラス症候群

 足の深部静脈血栓症の合併症のひとつに「肺血栓塞栓症」があります。別名「エコノミークラス症候群」ともいわれかなり認知されている病気です。足の静脈の中にできた血栓が肺に行って肺動脈に血栓がつまってしまう病気です。小さな血栓ならば無症状ですが、大きな血栓で詰まった場合、胸痛や呼吸困難、失神したり、最悪の場合即死してしまうこともある恐ろしい病気です。

リンパ浮腫

 リンパ浮腫とは、リンパ管の流れが悪いために、その中を流れる水分が皮下組織から排出されずに皮下に水分やタンパク質などが溜まった状態をいいます。リンパ浮腫の場合は、血液の流れとは無関係なので、全体的になんとなく膨らんだような白いむくみが特徴です。リンパ浮腫の原因として代表的なものが子宮がんや卵巣がん、乳がんに手術によるリンパ節の切除によるものです。逆に言うとがんの手術後でなければリンパ浮腫になることは極めて少なくなります。

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